2008/08/18 はれ
昨日は、夏恒例の「新しい水文明を考えるシンポジウム」を開催し、充実した内容でした。このシンポは、私たちの豊川を守る住民連絡会議が発足してから毎年、その時々の状況の問題をテーマにして夏に開催しているものです。
今年は、「水源山村の地域づくり」をテーマに、上流地域でそれぞれ独自の実践をしておられる二人の話題提供にもとづいて座談会形式で企画しました。
豊川は三河湾の河口から設楽町の段戸山の水源まで約80数㎞、愛県内だけを流れる比較的まとまりのある水系指定河川で、この地域の「母なる川」であり、その流域を東三河地域と称しています。
この川には、古くから牟呂・松原用水が整備され下流域の干拓地の水田を潤してきました。戦後には、渥美半島、豊橋周辺の農業用水、三河湾工業地域の工業用水、都市用水など水資源開発を目的として豊川用水が建設され、さらにそれに上乗せした総合用水事業がすすめられ、下流地域の発展に多大の貢献をしてきました。
しかしその結果、河川の生態系、環境に大きな影響を及ぼしました。そのために40年ほど前から設楽ダム計画が進められ、現在は環境影響評価を終え、基本計画の確定の段階にあります。
私たちは、この設楽ダム計画は、豊川流域や三河湾の生態系をいっそう破壊する可能性が強いこと、さらなる水資源開発は必要ないこと、水源山村の住民生活や地域社会を犠牲にし、水源地域に壊滅的な影響を及ぼすことになることなど、また計画当初から40年を経ても本体の建設が進んでいないこのような大規模な公共事業はその必要性、妥当性の根拠がなくなりつつあるものと考え、全面的な見直しを求めています。
今回のテーマでは、ダム計画に負けない、ダムに依存しない水源地域のあり方を具体的に検討することにしました。
話題提供者の一人の松沢政満さんは、脱サラ後、郷里の新城市内にもどって有機農業を中心に「百姓」を営んで居られます。松沢さんは、近代農業経営と有機農業を中心とした「農」のあり方を対局として比較し、有機農業を中心とした小さい農、競争でなく共存、グローバリズムでなく身土不二、産地間競争でなく地産地消などを基本とする「自立した農」の実践について報告がありました。
斎藤和彦さんも会社勤めをやめて郷里の設楽町に戻り、水源の森と水を守るために炭焼を中心とした「すみき塾」の活動を続けておられます。斎藤さんには、90%近くの人工林化した水源地域の森林の状態に危機感を持ち、混交林の推進、照葉樹林(雑木)を活用した炭を多様に利用する方法により山村の活性化をすすめることの必要性、そのための活動について熱っぽく「夢」を語っていただきました。
お二人の報告にもとづいて、会場の参加者による意見交換を行いました。近代的な便利さ、開発の有用性を強調し、追い求めるだけではなく、その破壊の影響、負の犠牲、行き詰まっている状況をしっかりとみて、転換のあり方を具体的に考え、すすめていくことの必要性を確認しました。
私たちの活動は、まだまだこれからということを実感しました。
同じ会場で、これまでの活動で記録してきた豊川流域の実態写真を展示しました。
ひきつづいて、次の日程で連続座談会を予定しています。
◇9月21日(日)蒲郡市 蒲郡市民会館
◇11月9日(日)田原市 田原市福祉センター(予定)
座談会会場
報告する松沢さん(右)と、斎藤さん
熱心な議論
流域写真展の様子
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